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各到達真空環境下での残留ガスによる汚染

真空環境下での実験や開発を行っていく上で、真空容器(チャンバー)内部の残留ガス分子の種類と量は「粒子状物質」や「有機物質」による汚染と同様に、実験・研究の目的や成果に多大な影響を及ぼす原因の一つだといえます。

特に大きな問題としてあげられるのが『残留ガス分子の吸着』に起因する、分析や成膜対象物への短時間での汚染があります。

このことから真空実験装置のユーザーにおかれましては、目標とする到達真空領域以上に、『より質の良い真空環境』の作成と維持に注意を払う必要があります。

下記に参考資料として、各到達真空環境下における試料(10mm2)の表面に吸着する単原子層の時間比較をラングミュア式(Laungmura isotherm)により掲載します。

各到達真空環境下における試料(10mm2)の表面に吸着する単原子層の時間比較
  • 1.33×E‐4Paにおいて、約1sec
  • 1.33×E‐5Paにおいて、約10sec
  • 1.33×E‐6Paにおいて、約100sec≒1.67min
  • 1.33×E‐7Paにおいて、約1000sec≒16.67min
  • 1.33×E‐8Paにおいて、約10000sec≒167min≒2.78hour
  • 1.33×E‐9Paにおいて、約1667min≒27.83hour

※数値は実験環境及び試料の性質とガス種との相性によって異なります。